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硬筆書写技能検定3級 ~実技問題について~

私は、〈硬筆書写技能検定1級の難易度は?~1級合格までの歩み~〉や、〈硬筆書写技能検定とはどのような検定試験?〉という硬筆書写技能検定のことについてのブログを公開させていただきました。

そして続けて、5級、4級についての試内容や受験に向けてのポイントをお伝えしてきました。

4級までは、実技問題、理論問題の総合計点で合否が決まっていましたが、3級から上の級は、実技、理論の双方が合格してはじめて合格と認められます。

3級の問題では、実技問題が6問、理論問題が4問出題され、試験時間は70分です。

今回のブログでは、3級の実技試験問題について、内容や受験に向けてのポイントをお伝えしたいと思います。

○硬筆書写技能検定3級合格から履歴書に資格として記載できます

文部科学省後援の検定として、履歴書や調査書に公の『資格』として書け、進学や就職の時に有利です。
中学生には、高校進学時の調査書(内申書)に記入することができ、国語力もつき、高校入試に役立ちます。
こうした公的資格を持つことで、自身の自信にも繋がり、他の方より優位に見ていただける側面が有ると思います。

◆硬筆書写技能検定3級~理論問題について~はこちら

◯3級合格のレベルは‥

3級合格のレベルとしては、「硬筆書写一般の基礎的技術および知識を持って書くことができる程度」として、日本書写技能検定協会では位置づけられています。
硬筆書写技能検定3級からは、履歴書にも公的資格として「文部科学省後援硬筆書写技能検定3級合格」と記載できる書写に特化した特殊技能になります。
受験の対象年齢としては、中学生、高校生と検定協会では位置付けられていますが、大学生、一般社会人など最も多くの方が受験されているのが3級です。
4級までと大きく違うところは、楷書・行書を書き分けなければいけないところです。
皆さんが難しく思われるのが行書ですが、3級ではそんなに難易度の高い行書を求められる訳では無いので、臆する事なく受験に望まれると良いと思います。
検定協会でも沢山の受験対策のテキストなどを用意されていますので、まずは『日本書写技能検定協会』のホームページなどを見て、《3級のドリル》などを購入して学習を進められると良いと思います。

◆硬筆書写技能検定3級~理論問題について~はこちら

〇硬筆書写技能検定3級の合格ラインについて

試験問題は、実技問題が6問、理論問題が4問あり、各問100点満点で実技は600点満点、理論問題は400点満点となります。
実技問題は415点以上、理論問題は275点以上が合格になります。双方が合格点に達して、はじめて合格と認められます。どちらか片方だけが合格した場合は、準登録となります。次回からは、合格した方の試験は免除され、合格点に達しなかった方だけを受験することになります。
実技合格・理論合格と別になっていて、双方合格で《3級合格》となるところ、また、準登録制度が有るところが、4級までの場合と大きく違うところです。
実技問題の平均点は70点、理論問題の平均点は70点、合格率は63.7%と統計が出ています。

〇過去問について

当協会では、《硬筆書写技能検定試験》を受験し、『資格』を取得することに力を注いでいます。
3級、実技問題の過去問なども十分に資料を準備しています。

受験に関心のある方は下記のお問合せフォームからご連絡くださいませ。

◆お問合せはこちら

〇第1問 速書き(4分間に115字程度)を書く問題について

この第1問は3級からは、ボールペンで書きます。
まずは4分で書き終えることが最も大切です。
書く前に1分間の黙読時間が設けられていますので、文章の内容を頭に入れてから書き始めましょう。
3級は、4級よりも字数も増えてきますので、4分間で書き終える感覚をつかみながら、より丁寧に書けるように心がけたいですね。
行頭、行尾をそろえて書くことにも、気を付けて書きましょう。
書き間違えた場合は、字を二本線で消し、続けて正しい字を書きましょう。書き落とした字を付け足すなどの訂正をすることは出来ますが、減点となってしまいますので間違えないように書きましょう。
行は、余っても差し支えありません。

〇第2問 かい書と行書(各10字)をますめに書く問題について

この問題は、5つの熟語(10字)を2㎝角のますめの中に、かい書と行書で書く問題です。
つけペン、万年筆またはボールペン、サインペンのいずれかを使用すること、となっています。
3級からは、行書の問題が出題されるところが、4級までと大きく違うところです。
かい書で書くポイントは、線と線をきちんとつけること、書き出しの起筆や、とめ、はね、はらいを、かい書らしくハッキリ書くことが大切です。
行書で書くポイントは、点と点、点と線、線と線につながりをつけて、ゆったりとおおらかに連絡よく書くとよいでしょう。
しかし、ただ単に、点画を続ければ行書になるわけではありません。自分流に崩しすぎないように注意して書きましょう。
文字の大きさは、ますめに対して2/3程度の大きさで書くと良いでしょう。

〇第3問 縦書き 漢字かな交じり文(約45字程度)を書く問題について

この問題は、1行の幅が1.8㎝、長さが20㎝の5行の罫線の用紙に書いていきます。
漢字は行書で書くこと、平仮名は連綿で書かないこと、と定められています。
漢字は行書で書くように定められていますので、かい書で書いてしまっては減点となってしまいます。
漢字は大きめに、平仮名は漢字よりも小さめに書きます。行頭、行尾や字間をそろえること、次の字に続く筆脈も整えながら、行書で書きましょう。
この第3問は、次の第4問共に、上部はワク線から5㎜程度の余白を取って書き始め、下部は7㎜程度の余白を残しますが、鉛筆での下書きや補助線、目印などはつけてはいけません。
書き間違いの訂正は、減点になりますので、間違いのないように注意して書きましょう。
行は余っても差し支えありません。

〇第4問 横書き 漢字かな交じり文(約60字程度)を書く問題について

この問題は、漢字、平仮名、カタカナ、数字、ローマ字が交ざっていることが特徴です。
漢字は、かい書で書くこと、と定められていますので、行書で書いてしまうと減点になってしまいます。
数字、ローマ字は、漢字や平仮名と調和させて、直立体か斜体に統一して書くことが大切です。
ローマ字は、なるべく2行に渡らないように書きましょう。ローマ字が途中で切れてしまいそうな場合は、必ず音節で分け、ハイフンをつけてから改行しましょう。
数字は、2行に分かれないように注意してください。
漢字より、平仮名や数字、ローマ字などは、やや小さめに書きましょう。

〇第5問 はがきの表書きについて

この問題は、官製はがきと同じ形式に印刷された回答用紙に、受取人と差出人の住所、氏名を体裁よく書く問題です。
書体は、かい書、行書どちらでも構いませんが、行書は自分流に崩しすぎないように書きましょう。
郵便番号の数字は、つぶれ字、続け字、枠接触や枠からのはみ出し字にならないように、必ずていねいに、正しく枠内に記入しましょう。郵便番号も課題の一部です。
文字の大きさを、あて名、受取人住所、差出人氏名、差出人住所の順に小さくしていきます。
まず、あて名を中央に、一番大きな字粒で書きます。目印として、郵便番号枠の左から2番目の枠の中心の下に書いていきましょう。姓と名の字間は均等に取ります。
次に受取人の住所を、あて名に次いで2番目の大きさで書きます。郵便番号枠の右から2番目の枠の中心の下に、あて名の書き始めより上から書きます。あて名の「様」より下がる場合は2行にして、あて名より住所が下がらないように書きましょう。
住所を2行に書く場合は、2行目の書き始めは1行目より半字くらい下げ、字粒も小さくし、2行目は1行目に寄せて書きましょう。
差出人の住所は、一番小さな字粒で書きます。両額印面の下には、スタンプが押されますので、書き始めの位置は、官製はがきの半分くらい下がったところから、書き始めるとよいでしょう。また、両額印面の幅からはみ出さずに書くと、あて名との余白が取れて整って見えます。
最後に差出人氏名は、住所より低めの位置から書き始め、字粒は住所よりわずか大きく、受取人の住所よりは大きくならないように書きましょう。
あて名、受取人住所、差出人の所などで、文字の大きさを変え、行の中心をそろえること、そして、行の長さや高低にも注意をはらって書くと、体裁の良いはがきに仕上がると思います。

〇第6問 掲示文について

この問題は、横書きの掲示文を油性マーカーまたは耐水性顔料マーカーで、B4用紙を縦に使用して書く問題です。指定の用具以外のものを使用すると大きく減点されます。
誰が見てもみやすく、わかりやすい掲示文を書いていきましょう。
「30㎝ものさし」は必ず準備し、レイアウトために線を軽く引きましょう。
タイトル、項目、内容の配置、文字の大きさ、余白など、書き始める前にレイアウトをしっかり作ることが、最も大切です。
紙面一杯に書かないよう、周りは3㎝程度の余白を取ります。
タイトルは、一番大きく真ん中に収まるように書きましょう。
各行の行間もそろえましょう。

〇生徒様の声

始めたきっかけ

*「ペン習字の講師として、活躍できるよ!」と、いつも励ましてくださり、硬筆書写技能検定試験受験を勧めてくださったことで、受験してみよう~と、このコースで取り組み始めました。

*ペン習字を習い始め、月日を重ねながら、何か目標を持って取り組みたい!と思うようになり、硬筆書写技能検定試験を受験してみようと、このコースも併用し学び始めました。

*字がきれいに書けたら~となんとなく習い始めましたが、段々「教えるようにもなれたら~」と夢が膨らむようになり、そのためには資格がいる!と、この資格取得コースも併用し学び始めました。

*大学生で教員志望です。字がきれいな事、また、その事の裏付けになる硬筆書写技能検定試験の資格を持つことは大変価値のあることだ!と思い、このコースで資格取得を目指しました。

*すでに書道・ペン習字の教室で教えていました。キチンとした公の資格も持たないままでしたので、これではいけない~と、このコースで資格取得に向け、必死に勉強し、毛筆2級、硬筆1級まで目指しました。

受講しての成果は?

*私は中学生ですが、2級まで合格できました。高校受験の《自己表現》では胸を張って、資格取得できたことを話すことができて、本当に頑張って良かった!と思いました。

*小学1年~中学3年生まで続け、資格取得コースで、2級合格まで継続しました。自分の大きな自信にもなり、資格と美しい文字は私の財産となりました。

*3級は先生の適切なアドバイスのお陰で、そんなに大変な思いも無く、すんなりと合格できました。

*3級を合格したことで、次の意欲に繋がり、2級を目指すようになりました。

*2級は3級より、理論問題がかなり大変でした。が、勉強した充実感もあり、2級にも合格することができました。

*ペン習字を習い始め、講師に~とステップアップしてからは、1級合格は必ず成し遂げたい大きな目標でした。何度も何度も受験しましたが、1級合格!と目標を達成することができました。この《資格取得コース》には必ず、合格!と言うゴールにたどり着くメゾットが有るな!と確信しました。

〇まとめ

硬筆書写技能検定3級は、4級までとは格段に難しくなってきます。それだけに、履歴書にも記載できる立派な資格です。
私たちは、美しい文字を書けるように・・・と願い、知識を学んだり、何度も書いては練習をしています。
でも「資格を取得する」という事にも関心を寄せていただけたら・・・と思います。
目標を持って受験に臨むことで、モチベーションも上がり、学習も深まります。
何より、「硬筆書写技能検定〇級合格」という公的な資格を取得することは、一つの自信にもつながります。
「硬筆書写技能検定3級」に皆様も挑戦いただけると嬉しいです。


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