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ひらがなの【い】について考えてみました

以前のブログでは、ひらがなの【あ】について改めて考えてみました。

引き続き【い】についても考えてみようと思います。

日ごろ、色々な方の文字を見せていただく機会に恵まれていますが、大人の方でひらがなの【い】が書きにくい方はそんなにいらっしゃらないように感じています。

今回は子ども達の書いている【い】について考えてみたいと思います。

【い】の字源から‥

ひらがなには、そのひらがなが出来る元になった漢字があることをi以前のブログでお伝えしました。
順次、ひらがなを考える上で、この字源はお伝えしていきたいと思います。

【い】の字源は〈以〉です。
画像のように、〈以〉から少しずつ字体がくずれて【い】のひらがなが出来ました。

硬筆書写技能検定試験、2級の理論問題ではひらがなの字源が出題されています。
中学生で“硬筆書写技能検定2級”を受験するようになると、子ども達もこの字源を学習しながら合格を目指しています。

一画目、二画目の曲線について

どちらの線も曲線ですが、どの程度の曲線が良いのかな?
改めて考えてみるとハッキリと言い切ることは難しいなと思います。
直線ではなく、わずかな曲線で書きたいものです。
そして、二画の線はお互いに向かい合って、対応する事が大切です。
二画の方向が、それぞれバラバラの向きになってしまうと字形が崩れてしまいます。

良くない例と比較して見ていただくと伝わり易いかな?と思います。

良くない例 ①
直線過ぎて、硬い冷たい表情に見えてしまいます。

良くない例 ②
曲がりすぎると、文字が幼く、また、クセのある表情になってしまいます。

良くない例 ③
それぞれの線の向きが対応しないと崩れた印象になってしまいます。


線の長さについて

【い】の二本の線は同じ長さではありません。
わずか一画目を長めに書きましょう。

長さが一画目、二画目で逆に、二画目が長くなったり、長い、短いに差をつけ過ぎても形は整いません。

また、【い】は少し横に平たい輪郭の文字ですから、それぞれが長すぎても短すぎてもよくありません。
長さも大切です。

良くない例 ①
二画目を長く書くと不安定な形になります。

良くない例 ②
一画目、二画目の長さが違い過ぎるとバランスが崩れます。

良くない例 ③
それぞれが長すぎて縦長になっても良くないですね。

一画目のハネと、二画目の止めについて

一画目の最後ははねます。はねる方向が大切で、次の二画目の書き始まりに繋がる気持ちではねましょう。
また、二画目の最後はキチンと止めましょう。はらって書く子ども達はとても多いと感じています。
左に向けてはらうと、【り】のように見えたりします。

【い】に限らず、とめ・はね・はらいをキチンと区別して正しく書いていきましょう。

良くない例 ①
一画目のはねる方向が、二画目の書き始めと繋がらないと字形が乱れてしまいます。

良くない例 ②
2画目をはらうと雑に書いた様な印象になり、また【り】のように見えたりします。

〇まとめ

今回のブログでは、日ごろ子ども達の文字を見ながら、感じてきたことを思い浮かべながら書いてみました。
一口に“子供”と言っても年齢にはばもあります。今回の例では、比較的低学年の子ども達に当てはまると思います。

幼い時から、とめ・はね・はらいなど、正しく文字を覚えていき、丁寧に文字を書く習慣をつけていきましょう。

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