ブログ

ひらがなについて考えてみました

文章を書く上で最も大切な〈ひらがな〉について、掘り下げてみようと思います。

「文字がきれいに書けたら良いな」そう思って日々練習に向かっている私達ですが‥

一つの文章はひらがなが7~8割を占めると言われています。

ひらがな、カタカナ、漢字など~、様々な文字文化を持つ私達ですが、一番多く書いているのが〈ひらがな〉なのです。

そんな〈ひらがな〉を改めて見直してみたいと思います。

そして、今回のブログでは【あ】について考えてみたいと思います。

【あ】の字源から‥

ひらがなには、そのひらがなができる元になった漢字があります。
それを〈字源〉と言い、字源を知ることは、そのひらがなを正しく、きれいに書く上で大切な事だと思います。
【あ】の字源は〈安〉です。
画像のように、〈安〉から少しずつ字体ががくずれて【あ】のひらがなができました。

硬筆書写技能検定⒉級の理論問題でも、ひらがなの字源は設問されており、文字を学習する私達は、この様なことにも関心を持ちたいと思います。

一画目の横画について

一画目の横画は長く書きません。
長さ、方向、曲りが大切です。
縦の中心に短く、かすかに右上がりに書くと、明るくハツラツとした表情になるでしょう。
一画目、横画の書き始め、書き終わり、それぞれから左右、下方向には広がっていくような輪郭に仕上げます。

良くない例 ①
長くなると、逆の輪郭になってしまい、形がきれいになりません。
     
良くない例 ②
右上がりになると、キツい表情になってしまいます。
            
良くない例 ③
上ぞり、下そり、どちらもクセのある文字になります。           

二画目、縦画について

二画目は縦の中心から始まり、かすかな曲線でまた、縦の中心、わずか手前で止めます。
中心より右に出ないように注意することが大切です。

良くない例 ①
曲がりすぎると、縦の中心より右に出やすくなり、クセのある文字に見えます。
 
良くない例 ②   
直線では、硬い、表情の無い味気ない文字に見えます。               

三画目、左下、斜めに進める線について

三画目は、どの位置から、どの方向に進むのか~、最初の斜めに進める線が一番重要だと思います。
縦の中心より、わずか右、横の中心線より、わずか上です。
進める方向が重要で、縦方向になり過ぎないことが大切です。マス目の左下の角に進むイメージです。
長さは二画目の縦画と下をそろえ、きちんと止まりましょう。

良くない例 ①
方向が縦になりすぎると、止めた後の線が、左に進んでしまう傾向にあります。
      
良くない例 ②
ななめの線が長かったり、傾き過ぎると、左の空間が広くなり、締まらない字になります。 

三画目、左下からの曲線について

左下に運んだななめの線からの曲線は上に進めていきます。
そして、横の中心線の少し手前で、軽く止める気持ちで、アクセントをつけてから、ゆっくりと曲線で丸く運び、縦の中心線に向けてスッキリとはらいましょう。
アクセントをつけることで、引き締まったステキな文字になります。
中心線より左に出ないように気をつけましょう。
また、左下から上に上がり、アクセントをつけてからの曲線は丸いアーチが横の中心線より上に上がらないようにしましょう。

良くない例 ①
左下で止めてから左に進むとゴツゴツした文字になります。
          
良くない例 ② 
軽く止めたアクセントが無いと、緩んで、幼い文字に見えます。
         
良くない例 ③
最後のはらいが縦の中心線より左に出ると、雑な印象になってしまいます。
   
良くない例 ④
アーチが横中心線より上にいくと詰まった幼い印象の文字に見えます。      

〇まとめ

何気なく書いている〈ひらがな〉ですが、あらためて考えてみると、きれいに書くために様々なポイントがあるようです。
【あ】一文字をとっても、様々、注意したいところがあります。
日ごろ教室で、子ども達や大人の生徒様と向き合う中で、気になってきたことなどをふまえて、私なりの考えをブログにしてみました。
文字に絶対~のルールはありませんし、それぞれの書風の考えも違うかも知れません。
一つの参考に気軽にお読みいただければ‥と思います。

こうして〈ひらがな〉をテーマにブログを~、と思ってから、私自身も〈ひらがな〉をあらためて見直す機会になっています。
これからも、ひらがなについて、順次、一文字一文字深めていきたいと思います。
皆様に〈ひらがな〉に関心をお寄せいただくきっかけになっていただけたら嬉しいです。


◆硬筆書写技能検定とはどのような検定試験?はこちら

◆ペン習字を習い始めたばかりの皆様へはこちら

◆ベーシックコースについてはこちら

◆スキルアップコースはこちら