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ペン習字を習い始めたばかりの皆様へ

一念発起し、勇気を出してペン習字を習い始めてくださった皆様は、きっと上達できる…と信じて初めの一歩を踏み出してくださったと思います。

そう、必ず、上達へ向けて前進していかれると思います。

今回のブログでは、入会間もない皆様と接しながら、私が感じてきたこと、お伝えしたいこと…をまとめてみました。

このブログをお読みくださった、習い始めて間もない皆様が、改めて練習の進め方を考えてみるきっかけになってくださると嬉しいです。

ひらがなをしっかりマスターしましょう。

私達は、ひらがな、カタカナ、漢字など、様々な文字文化を持っています。
日常、何気なく読んだり、書いたりしている文章は、ひらがなが、70~80%を占める…と言われています。
ひらがなをきちんとマスターすることで、「一つの文章をきれいに書けたら…」の70~80%が叶えられるとしたら…。
あらためてひらがなの大切さに気づいていただけるのではないでしょうか?
そして、漢字の常用漢字が2,000文字以上あるのに対し、ひらがなは46文字しかありません。
その46文字をしっかり身につけることは、初めの一歩としてとても有効でもあり、大切なことではないかと思います。
ひらがなは「あいうえお」として学習していくよりもポイントを絞って見た方が分かり易いのではないかと思います。
ここでは、ひらがなをいくつかのポイントで分けてみたいと思います。
ポイントをおさえて練習しながら、まず、ひらがなをしっかり書けるようになりましょう。

曲線のあるひらがな

〈あ〉〈の〉〈め〉〈ぬ〉〈ひ〉〈ゆ〉…など、曲線のあるひらがなは、その曲線を丸く書いてしまうと文字は、幼い子供が書いたような印象に見えてしまいます。
たとえば、〈の〉であれば、①斜めに運んで止め、②そのまま上に運んで止め、③そのまま丸く書きながら左へ向かってはらいます。
①・②・③のリズムで曲線にアクセントをつけ、やや角張った形に書くことで、引き締まった大人の文字の印象になります。
その時、はらいはワクの中心より左に越えないようにはらいましょう。

結びのあるひらがな  

結びの形には、楕円形、三角形など、形の違いがあります。
たとえば、〈す〉〈ぬ〉〈ね〉〈は〉〈ほ〉〈ま〉〈む〉〈よ〉〈る〉などは小さい楕円形に、〈お〉〈な〉〈み〉は三角形に結んで書きましょう。
そして、結びを大きく書くとまた、幼い子供の文字の印象になってしまいます。
結びはやや小さめに書きましょう。

左に縦画のあるひらがな  

〈け〉〈に〉〈は〉〈ほ〉などは一画目のはねから、二画目への繋がりを整えながら書きましょう。
そして、一画目と二画目の間を広めに空けることで、明るく大らかな印象になります。

左へ向け、はらいのあるひらがな  

まず、〈あ〉〈う〉〈け〉〈す〉〈ち〉…などの最後は止めないで、はらいましょう。
そして、はらいは文字の中心までに書きましょう。
中心を越えて左に出ると雑な印象になってしまいます。
特に〈う〉は曲りから斜めに左へ向かうと、はらいは中心より左へ越えやすくなります。曲りからまっすぐ進みながら、そっと中心までにはらいましょう。

ご自身の癖を認識し、その癖を意識して練習しましょう。

私自身はペン習字を習い始めた頃、大変な右上がりなクセ字でした。
まず、横線を水平に書く事がとても難しかったことを覚えています。
新しく習いに来て下さった皆様もそれぞれ色々なクセをお持ちだな…と感じています。
まずはご自身のクセを認識することで、そこにアプローチしていこうという意識が生まれますね。
右上がりな方、右下がりな方、線と線など点画が開いて散漫な印象の方、はらいに勢いがありすぎて雑然とした印象にみえてしまう方、文字が小さく寂しい印象になってしまう方…など様々です。
長年書いてきたクセは、なかなか思うように変わってはいかないかも知れません。
でも、今までご自身が文字を書いてきた上で習慣になってきたクセを認識し、それを改善していく意識を持ちながら練習していくと、少しずつ、少しずつ長年のクセとさようなら出来て、大きく上達に結びついていくことと思います。

練習の文字は大きく、ゆっくり書きましょう。

入会される方はよくノートを持参して来られます。
ほとんどの方がマスの無いレポート用紙のようなものだったり、方眼の目の小さいものだったりします。
そして、最初はどうしてもふだん書いているような小さな文字を書かれて練習されます。
生活では2㎝角のマスの中に入れるような大きな文字を書くことはまずありません。
しかし、練習ではそのような大きな文字で練習していただきたいのです。
先に公開のブログ、「ペン習字をより上達させるためのポイントとは」でもお伝えしましたが、お手本の縦、横の中心線を観てみましょう。
そして、ご自身も2㎝角程度のマスの国語のノートなどに大きな文字で練習してみて下さい。
ノートのリーダー線を大いに活用することで、一つ一つの文字の中心や形もしっかりと確認しながら練習することが出来ると思います。
このように、最初の頃の練習では大きな文字でゆっくり書くことで、字形を正しく知り、正しく書くことが容易にでき、上達が加速されると思います。

◆ペン習字をより上達させるためのポイントとは

何度も同じ文字を繰り返し練習しましょう。

「何回書いても思うように書けない!」…と言う言葉をよくお聞きします。
そうです。何度書いても思うように書けないのです。
でも、その「思うように…」こそ、大切だと思うのです。
「思うように…」はすでに、「こう書いてある、こうなってる、こう書けば良い」と言うことをしっかりと認識し、理解できているのです。
それがもう、すでに上達に向けて大きく前進出来ていると思います。
理解できたことと、書ける事のギャップ!
そのギャップを埋めることがまさに練習だと思います。
でも、ただやみくもに何度も書くのではなく、書いてはお手本と見比べてみましょう。「ここがもう少し…」と、お手本との違いを見つけては、また、書いてみて下さい。分かったからと言って、なかなか思うように書けませんよね?
でも、たった一文字でも良いのです。納得のいくまでその文字を繰り返し書いてみて下さい。
遠回りしているようですし、何度も同じ文字ばかり書いてイヤになるかも知れませんが、最高の練習になっていると思います。

〇まとめ

ペン習字を習い始めてくださった皆様
なかなか思うように書けないジレンマに苛まれながら、時として、諦めてしまいたい気持ちにもなられることと思います。
高いレベルに照準を合わせてしまうと、気持ちも上がってきません。
何度も練習して、うまく書けた一カ所、一文字、そこにはしっかりと充実した喜びがあると思います。
そこに目を向けて、そんな喜びを積み重ねていってください。
私たち、講師達も、皆様のその頑張りにしっかりと目を向け、共に喜びを共感できる私達でありたいと思っています。
どうか一歩ずつ、少しずつで良いので、積み重ねてみてください。
そして、上達を実感し、「習い始めて良かった!」と生活に生かしていただけることを心から願っています。

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