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硬筆書写技能検定4級について

私は、前回のブログで〈硬筆書写技能検定5級について〉というテーマでブログを公開させていただきました。

今回のブログでは、4級について、試験内容や受験に向けてのポイントをお伝えしたいと思います。

一般社団法人≪日本書写技能検定協会≫が実施、運営している≪文部科学省後援硬筆書写技能検定≫は、年3回実施されています。

4級受験の対象年齢は、中学生、高校生程度です。

レベルは、硬筆書写の基礎的技術及び知識をもって書くことができる程度となっています。

試験問題は、実技問題が5問、理論問題が2問出題され、試験時間は1時間です。

4級の問題では、実技問題に6級、5級には無かった「速書き」の問題が加わります。

そして、理論問題は、5級に出題された筆順に加え、書き取り問題が10問出題されます。

〇硬筆書写技能検定4級の合格ラインについて

試験問題は、実技問題が5問、理論問題が2問あり、各問100点満点で実技は500点満点です。
理論問題は200点満点で、実技理論合計で700点満点です。
総合計で460点以上が合格になりますので、実技問題で減点が多くても、理論問題で高得点がとれていれば、合格できることは5級の場合と同じです。
実技・理論の平均点は66点、合格率は88.2%と統計が出ています。

〇使用できる筆記具について

4級の第1問は鉛筆またはボールペンを使用します。
2問から第4問までで使用できる筆記具は、ボールペン、サインペンです。
また、第5問の問題では、油性マーカーまたは、耐水性顔料のマーカーを使用することになっています。
第1問から第4問で使用するボールペンは、油性ボールペン、水性ボールペン、ゲルインクボールペンなど、様々使用できます。ただし、書いた後に消すことが出来るボールペンは使用できません。
第5問で使用する油性マーカーまたは、耐水性顔料のマーカーは、ペン先の形状が円すい形で、書いた時の太さが1.5㎜~2㎜程度のものがよいでしょう。また、角切りになっているものは、使用できません。
このように各問題で使用できる用具が違います。指定の筆記具以外で書くと、減点となってしまいますので、受験の練習を始める時に、用具を確認して練習を始めていきましょう。

〇第1問 速書き(4分間に95字程度)を書く問題について

この問題は、正しく、整えて速く書くことが大切ですが、まずは4分で書き終えることが最も大切です。
1分間、問題を黙読する時間がありますので、1分間集中して、内容を頭に入れてから書き始めましょう。
書き始めると、つい気持ちもあせりがちですが、与えられた4分間を沢山余らせてしまっては、文字も乱雑になってしまいます。
何度も練習しながら、4分間を最大限有効に使って書くためのリズムをつかんでいき、より丁寧に書けるように心掛けたいですね。
行頭、行尾をそろえて書くことにも気を付けましょう。
書き間違えた字を線で消し直したり、書き落とした字を付け足すなどの訂正をすると減点ですので、間違えないように書きましょう。
行は余っても差し支えありません。
 

〇第2問 漢字かな交じりの言葉(5~6字)を書く問題について

この問題は、5~6字くらいの短い言葉を、2.5㎝のますめに1字ずつ、楷書で書く問題です。
楷書で書く時のポイントは、線と線をきちんとつけることです。
たて画、よこ画の書き出しには、起筆をハッキリさせることや、右はらいは、正しい位置できちんと止めてから、はらうことなども大切だと思います。
それぞれの文字の大きさは、ワクに対して2/3程度の大きさで書くこと、漢字に対してひらがなは少し小さめに書くことなども大切なポイントになります。

〇第3問 漢字かな交じりの文(縦書き約40字程度)を書く問題について

この問題は、1列の幅が1.8㎝・長さが20㎝の縦長いワクが5列ある用紙に書いていきます。
たてに長い文章ですから、1列をまっすぐに、大きさもそろえて書くことがポイントです。
字と字の間隔をそろえること、などにも気を付けましょう。
楷書で書くことに定められていますので、第2問と同様に整然とした楷書で、ていねいに書きましょう。
上部は、ワク線から5㎜程度の余白をとって書き始め、下部は7㎜程度の余白を残しましょう。各列、書き出し、書き終わりをそろえて書くと、とても整って見えます。
しかし、鉛筆での下書きや補助線、目印などはつけてはいけません。
書き間違いの訂正は減点になりますので、間違いのないように注意して書きましょう。
行は余っても差し支えありません。

〇第4問 漢字かな交じりの文(横書き55字程度)を書く問題について

この問題は、漢字、ひらがな、カタカナ、数字、ローマ字が交ざっていることが特徴で、5級第3問と同様です。
いろいろな書体を調和させて、書くことが大切です。
第1問と似ていますが、第1問のように速書きを狙うものではありません。
この第4問も、漢字はかい書で書くように定められています。
数字やローマ字は、漢字やひらがなに合わせて、直立体か斜体に統一して書きましょう。
漢字より、ひらがなや数字、ローマ字などは、やや小さめに書きましょう。
第3問と同じく、行頭は、ワク線から5㎜程度の余白を、行尾は、7㎜程度の余白を残しましょう。
行頭、行尾をそろえて書くと、整って見えます。
第3問と同様に鉛筆での下書きや補助線、目印などはつけてはいけません。
書き間違えの訂正は、第3問と同様で減点となります。
行は余っても差し支えありません。

〇第5問 掲示文について

この問題は、第1問~第4問と用具が違うので、気を付けましょう。
用具は、油性または耐水性顔料のマーカーを使用して書くことになっています。
掲示文は、10字くらいの短い文を、天地21.0㎝・左右8.5㎝の枠内に書くことになっています。
少し離れたところからでも、見やすい、読みやすいよう、大きく書くことが大切です。
しかし、大きくなり過ぎないよう余白も考えながら、ワクに体裁よく書きましょう。
まずはワクを縦2列に分け、それぞれの列の中心に書いていくとよいでしょう。
ワクの上部は1.5cmから2cm程度、下部は2cmから2.5cm程度の余白を取りましょう。
1列目と2列目の文字数が違う場合がありますから、文字数の少ない列は下の余白が、広く空いても問題ありません。

〇第6問 理論 筆順問題について

教育漢字の筆順のうち基本的に大切なものと、ひらがな、カタカナの筆順のうち、間違われやすいものが出題されます。
漢字が8字、ひらがなが1字、カタカナが1字の計10字が出題されます。
正しい筆順に〇を、間違った筆順に✕を付ける形式です。
筆記具は指定されていませんので、訂正のできる鉛筆を使用することをおすすめします。

〇第7問 理論 漢字の書き取り問題について

4級の試験で出題される漢字は、小学校までに学習する教育漢字の中から出題されています。
日常的によく使う文字の書き取り問題が、出題されます。
カタカナで出題されているため、例えば、〈アツい〉は〈暑い〉なのか〈熱い〉なのかを勘違いすることもあるので、問題の文章をよく読んで答えを考えましょう。
第6問と同様に、鉛筆を使用されると良いと思います。

〇まとめ

《硬筆書写技能検定》は合格すれば、公の資格として認定される立派な資格です。
4級ではまだ公に認められる資格とまではいえませんが、受験への練習の過程で、ひとつひとつの文字を正しく覚え、丁寧に書くことを心がけて取り組まれたこと、また、理論問題での正しい筆順や、漢字の書き取りなども、学校生活や社会生活で即、役に立ち、そして、この後の3級受験にも繋がることだと思います。

第3回の硬筆書写技能検定の、申込期間は、令和3年12月1日~令和4年1月14日まで、試験日は令和4年1月30日(日)に予定されています。
これから4級に向けての取り組みを始めれば、試験日までには十分に間に合います。
今回のブログが、受験することに迷っている方への、チャレンジのきっかけになっていただけると、とても嬉しいです。

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