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筆順について

小学生の時に正しく習ったはずの筆順。

なのに、いつの間にか自分なりの筆順になっていたり、どうだったかな?と思い返すこともあるのではないかと思います。

筆順を守って文字を書くことは、字形を整えるためにも大切なことだと思います。

今回のブログでは、漢字の筆順についての基本的な原則をお伝えし、筆順に関心を持っていただいたり、見直すきっかけにしていただければうれしいなと思います。

筆順とは

筆順とは、一つの文字を書いていく順序のことです。
「書き順」とも言います。
この言い方の方が身近に感じていただきやすいかもしれませんね。

筆順の必要性について

どこから書いても、その文字の形になればいいのでは?という考えもあるのかもしれません。
では、なぜ筆順は必要なのかと考えてみました。
筆順は、ただ書く順序を示しているだけではなく、筆順通りに書くと、筆運びが自然になり、字形の整った美しい文字を書きやすくなるように考えられているのです。
筆順は、美しい文字を書くために必要なルールであり、漢字そのものを書きやすくするためにもなっていると思います。
また、文部科学省後援の「硬筆書写技能検定」や、「日本漢字能力検定」にも筆順の問題は出題されていることを考えますと、筆順を覚えることは必要なことだと思うのです。

「筆順指導の手びき」の目的とは

筆順については、さまざまな考え方があり「一つの文字に一つの筆順」とは限らず、個々の考えで指導をされていた時代があったようです。
このままでは、児童生徒にも混乱を与えかねないし、教師の指導効果や能率にも影響することが大きいとの考えから、なるべく筆順を統一し、学校教育の中での混乱を防ぐことを目的として、昭和33年、文部省(現在の文部科学省)が「筆順指導の手びき」を刊行しました。

現在、小学校、中学校で漢字を教える場合はこの、「筆順指導の手びき」に示されている原則で教えることになっているようです。
もちろん、私たちもこの原則を基本に学習しています。

筆順についての基本的な原則

「筆順指導の手びき」には、2つの大原則が示されています。
そして、その上で、その他にも様々な原則が示されています。
すべての漢字の筆順を覚えることは大変だと思いますが、次の原則を知ることで、覚えやすさにもつながると思いますので、良かったら参考にしてみてください。

2つの大原則について

大原則①【上から下へ】
上の部分から下の部分へ書いていきます。
〈例〉三、工、客 など

大原則②【左から右へ】
左の部分から右の部分へ書いていきます。
〈例〉川、州、脈、竹など

この2つの大原則を基本にして、他に8個の原則をお伝えしたいと思います。

原則①【横画と縦画が交差する場合】

横画と縦画が交差する場合は、ほとんどの場合、横画を先に書きます。
〈例〉十、土 など
他にも、「七」や「大」のように、縦画が横画と交差した後に曲がる文字や、「花」の「くさかんむり」ように、縦画が2本になる場合も、同じように考えます。

原則②【横画をあとに書く場合】

原則①で、縦画と横画が交差した時は、ほとんどが横画を先に書く…とお伝えいたましたが、横画を後に書く文字もあります。
〈例①〉
田と、田の発展した、由、曲、角など
〈例②〉
王と、王の発展した、進、馬など
〈例③〉
青、星、麦など
〈例④〉
寒、講

原則③【中を先に書く文字】

中と左右に点画がある文字は、中を先に書きます。
〈例〉小、水、光など

原則③にも例外があります。
忄「りっしんべん」と
火「ひ」「ひへん」は
左の点から右の点へつなぎ、中の縦画を書きます。

原則④【囲む形をとる場合】

「くにがまえ」のように、囲む形をとるものは、外側を先に書きます。
〈例〉図、国、同、内など

又、日や月なども、これに含まれると考えていいようです。

原則⑤【左払いと右払いが交差、又は接する場合】

左払いと右払いとが、交差する、又は接する場合は、左払いを先に書きます。
〈交差する文字の例〉
文、父、又など
〈接する文字の例〉
人、入、金など

原則⑥【文字の全体をつらぬく縦画の場合】

文字の全体をつらぬく縦画は、最後に書きます。
〈例〉中、車、申など

原則⑦【文字全体をつらぬく横画の場合】

文字の全体をつらぬく横画は、最後に書きます。
〈例〉女、子、母、毎など

原則⑧【横画と左払い】

横画が長く、左払いが短い文字は、左払いを先に書きます。
〈例〉右、有、布など
横画が短く、左払いが、長い文字は、横画を先に書きます。
〈例〉左、友、存など

まとめ

今回は、「筆順指導の手びき」を参考に、漢字の筆順の基本的な原則をお伝えさせていただきました。
この筆順の原則をふまえると、筆順も覚えやすくなり、筆順を正しく知ることで、美しい文字を書くことにもつながっていくと思います。
美しい文字を書きたい…と願っている私達は、文字を書く練習だけではなく筆順にも関心を寄せていきたいですね。

今回お伝えさせていただいた原則で説明できないものや、文字によっては、2つ以上の筆順があったり、行書になると筆順が異なるものもありますので、それはまた次の機会にお伝えさせていただければと思っています。